日本の汉字文化

要旨

日本は中国と同じように漢字文化を持つ国である。漢字は両国の人たちの情報や意志の伝達のための優れた手段であると思う。日本人は中華文化を尊び、大量の漢字を取り入れて、日本語を表記した。日本人はこれを受容するうちに、さまざまな工夫をして、日本的な表記方式が生み出された。漢字の発音を借りて日本語を表記する「万葉仮名」から、中国語の漢字の草書によって創製した「平仮名」と漢字の偏旁によって創製した「片仮名」まで、及び「訓読」と「国字」などがある。また、日本語と中国語の文法上の語順が大きく異なって、中国語の古典文学などを読めるために、「漢文訓読」も生み出された。

キ-ワ-ド漢文漢字仮名文字

摘要

日本和中国一样也是一个拥有汉字文化的国家。汉字也是中日两国人民交流的一种很好的方式。日本人崇尚中国文化，借用大量的汉字表示日语。日本人在借用时，采用各种方法，产生了很多日语特色的表示方法。从借汉字发音表示的“万葉仮名”到通过汉语汉字的草书创制的“平假名”和基于汉字偏旁创制的“片假名”以及“训读”和“国字”等。另外，由于日语和汉语的语序差异，日本人为了读汉语的古典文学，还产生了“汉文训读”。

关键词:汉文；汉字；假名汉字

日本の漢字文化

1．はじめに

中国の日本研究は、世界一の研究者数を抱えているわりには、全体として世界一流のレベルに達していないのが現状である。思うに、１９７２年の国交正常化までに、研究者は日本留学も不可能だし、日本の研究資料に接することさえ困難な状況に置かれているから、欧米の学者と同等の土俵にあがることができなかった。しかし、中国の特殊な国情および日本との文化的な近親関係は、欧米とは異なる研究領域を開拓し、独自な業績を生み出すことを可能にした。そして、８０年代にはいってから、欧米学者の享受した研究条件が中国の学者にも提供されるようになると、中国流の日本研究はようやく結実開花のときを迎えた。日本の漢字文化についての研究もよく進行できた。ここで日本の漢字文化の歴史と特徴を詳しく説明したいのである。

2．日本での漢字の読み方

現在日本で発見されている最も古い漢字は３世紀のものですが、そのころの日本人が漢字の意味を理解していたかどうかは分らない。本格的に日本に導入されたのは５～６世紀のことだった。７～８世紀になると漢字で書かれた歴史書や法令集（律令）も編纂されるようになった。８世紀というのは、日本で奈良時代といい、都が奈良におかれていた時代である。ついで９世紀になると、都は京都に移った。京都は唐の長安の都を模倣して造られた都市で、当時、平安京と呼ばれていた。この平安京が政治の中心であった９世紀から１２世紀までを、日本では平安時代と呼んでいる。奈良時代から平安時代の初めにかけての時代には、日本では唐にたびたび使者を遣わし、唐の品や学問、文化を盛んに取り入れた。そのため、平安京の貴族たちの間では、中国の歴史書や詩が好んで読まれ、自分たちで漢詩を作ることも流行した。現在まで伝わっている漢詩文集もいくつかある。

しかし、日本における漢字文化の受容はきわめて日本的なやり方でなされた。中国の言葉をそのまま受け入れたのではない。漢字の使い方が中国と日本ではどう違うのか、どう日本的なのか、ということをこれからお話ししようと思う。中国語と日本語は言語体系としては全く異なる。発音も文法も全く違う。単語については、漢字といっしょに大量の漢字熟語が日本にも伝わってきたし、逆に日本でできて中国に逆輸入された漢字熟語もいくらかあるようだから、現在では類似しているものも尐なくない。

中国語を表すため、漢民族の間に発生?発達した表意文字がある。現在は中国?日本?韓国などで使われる。起源は紀元前十数世紀にさかのぼり、成り立ちからみて、象形?指事?諧声?会意?仮借(かしゃ)などの種類があるとされる。周辺諸国に伝わり、さまざまな影響を及ぼした。日本では、これから片仮名?平仮名などの音節文字が生み出され、「峠」「働」などの和製漢字（国字）も作られた。

このように違いの大きい日本語を漢字で表現するためには、さまざまな工夫が必要だった。まず第一は訓読みといわれる日本式の読み方の発明だ。

日本でも、「木材」「大木」という熟語があり、その場合は「mokuzai」「taiboku」というように、中国語にわりあい近い発音で読む。しかし、それと別に「ｋｉ」という読み方もある。これは、woodを意味する日本独自の単語である「ｋｉ」を、同じ意味をもっている漢字の「木」の読み方としたものである。同様に、「山林」「山岳」は日本でも「sanrinn」「sangaku」と読むが、「山」一字だと「yama」と読む。「yama」はmountain を意味する日本独自の単語である。このように或る一つの漢字に相当する意味をもつ日本独自の単語を探しだし、それをその漢字の読み方としたものである。そうした読み方を「訓読み」という。訓読みは漢字が日本に入ってきたとほとんど同時に考案されるようになったと考えられる。現在、日本で広く使われている漢字には、大抵、訓読みをもっている。

3．仮名文字

上に述べたように、日本では漢字に訓読みという読み方を付与しているが、

中国語と日本語では文法構造が全く異なるために、漢字に訓読みを付与しただけでは、日本語を自在に表現することはできない。中国語では想像しにくいかもしれないが、日本語では、同じ一つの動詞であっても、現在のことをいっているのか、過去のことをいっているのか、意志なのか、それとも命令なのか、によって語尾が微妙に変化する。たとえば、「歩」という字、日本語では「aruku」と読むが、過去のことをいう場合には「aruita」、意志なら「arukou」、命令なら「aruke」というふうに変化する。また、日本語は本来、中国語と文法が全く異なるから、このほかにも漢字だけではうまく表現できない部分が残ってしまうのである。それを表現するためには、意味をもたない、ただ発音だけを示す文字が必要なものである。

そこで８世紀の日本人が考え出したのが、万葉仮名manyo-ganaとよばれるものである。これは漢字のもつ発音だけを借りて、それを組み合わせて日本独自の単語を表記する方法である。『万葉集』は古代日本の歌集に収められた歌で現在の日本人にも好まれている歌集である。漢字が並んでいるが、みなさん、ほとんど意味が理解できないだろう。『万葉集』に収められた歌はほとんど日本独自の単語で構成されている。訓読みを用いている箇所もあるが、傍線を引いた箇所は、それぞれの漢字の意味とは全く関係がない。日本独自の単語を表現するために、ただ漢字の発音を借りてきているだけだ。これを万葉仮名と呼んでいる。８世紀、９世紀ごろの日本人は、このような方法で日本語を表現したのである。

しかし、一つ一つの漢字がもつ意味を生かした訓読みという方法と、漢字を単なる発音記号として使う万葉仮名が混在すると、かえって不便な面もあった。万葉仮名は日本人にとっても大変読みづらいものである。

そこで考え出されたのが仮名文字である。仮名文字が作られたのは１０世紀の始めごろである。１０世紀後半～１１世紀になると、仮名文字で書かれた文学作品がたくさん作られるようになった。特に女性が積極的に使用している。紫式部という女性が書いた『源氏物語』という長編小説は、『万葉集』と並んで日本人が現在も誇りにしている古典文学作品である。

仮名文字を発明し、漢字と組み合わせることによって、日本人は、漢字に置

き換えられる単語は漢字で、置き換えられない単語は仮名文字で表記するようになった。これによって、日本人は自在に日本語を表記できるようになったのだが、この仮名文字はもともとは漢字の草書体からできている。たとえば、ａという発音を表現する「あ」は「安」という漢字、ｉという発音を表現する「い」は「以」という漢字の草書体からつくられたものである。

以上は、仮名文字のなかでも「平仮名」と呼ばれるものである。これとは別に「片仮名」と呼ばれる別種の仮名文字ある。これは漢字の一部分を切り取って作った文字で、平仮名と同じ平安時代の中ごろに作られた。平仮名、片仮名はそれぞれ５０字ずつある。

平仮名と片仮名の使い分けだが、古い時代には明確な区別はない。現在は基本的には平仮名を用いる。片仮名は、動物の鳴き声、擬音、漢字を使わない言語から入ってきた単語を表現する場合に用いられている。中国では、ヨーロッパやアメリカの地名や人名もすべて漢字で表記する。「マクドナルド」や「コダック」も漢字で表記している。日本でも１００年ほど前は漢字で表記することも試みられたが、現在は片仮名で表記している。欧米系の単語だけでなく、東南アジア、インド、西アジア、アフリカなどの言葉も同じである。

4．外来語

外来語については、日本に直接伝来したと考えられる原語を【】内に掲げ、その言語名を付記した。ギリシア語?ペルシア語?ロシア語などはローマ字綴りに翻字して掲げた。また、英語の場合は、原則として言語名の付記を省略した。

地名?人名などの固有名詞には、原則として言語名は記さなかった。ただし、現地での呼称とは異なる地名や、普通名詞などと熟した呼称には、言語名を記すものもある。

外国人で同姓の人名が複数あるときは、【】には姓のみを記し、各々の解説の冒頭に姓名の原綴りを掲げた。ただし、姓の部分は「～」を用いて省略した。漢字を当てる慣習のある外来語については、一般的な語に限り、原綴りのあ

とに掲げた。それ以外のものについては必要に応じて補説として記すようにした。

5．常用漢字

見出しに相当する漢字には、常用漢字表にない漢字には「×」、常用漢字音訓表にない読みの場合には「▽」を漢字の前に付した。常用漢字表の「付表」に掲げる語は、常用漢字に準じて扱った。

固有名詞、また中国語?朝鮮語など外来語の漢字表記には常用漢字の基準は適用せず、「×」「▽」の類は付さないこととした。

いかるが【斑鳩】ギョーザ【餃子】《中国語》チョンガー【総角】《朝鮮語》。国語審議会報告や、法令用語、公用文の書き表し方などで、慣用として認められるものを多く採用した。

漢字熟語に和語を当てた、いわゆる熟字訓は、常用漢字表の「付表」にあるものには「‐」、ないものには「＝」によって、そのまとまりを示した。

お‐じ〔をぢ〕【伯‐父?叔‐父】あき‐なす【秋茄子】。

6．漢文訓読

８世紀ごろになると、日本でも中国の書籍が盛んに読まれるようになった。『論語』のような春秋時代の思想家の書、『史記』のような史書、『詩経』のような文学作品などが特に好まれた。しかし、これらを読むにあたり、日本人は、中国人と同じような読み方をしたのではない。発音ももちろんそうですが、文字を読む順序さえも変えて読むようになったのである。

まず、中国語と日本語では文法上の語順が大きく異なっていることを理解していただかないといけない。細かな問題ではたくさんの相違があるが、語順という点でのおもだった相違点は次の三つである。

第一に、中国語では、何かを表現するときに、最初に主語があり、その次に、主体の動作を表す動詞があり、その次に、その動作の客体である目的語をくるね。ところが、日本語は違う。最初に主語があるのは同じだが、次に目的語が

あり、動詞は最後になる。

たとえば、中国語で「我学習漢語」というところを、日本語では「私（我）は中国語（漢語）を学習する」という。「学習」という動詞と「漢語（中国語）」という目的語が逆の順になるのである。

第二に、助動詞と動詞の順が逆になる。英語で説明すると、英語のcanやmust、さらにnot、wantなどにあたる言葉、中国語の「会」「可」「不」「要」といった言葉は、動詞の前にもってくるね。英語もそうだ。しかし日本語では、動詞のあとになる。

中国語で「我会説漢語」というところを、日本語では「私は中国語を話すことができる」という。英語のcanにあたる部分と「説」にあたる部分が入れ替わるのだ。「我要努力学習漢語」の場合も同じだ。「要」、すなわち英語のmustにあたる部分は最後になる。

第三に、日本語には前置詞（介詞）がない。「於○○」「在△△」「于××」という表現は、日本語では「○○において」「△△で」「××に」という言い方になる。

「他在上海工作」は「彼（他）は上海で働（工作）ている」

このように中国語と日本語は語順が異なるので、たとえ訓読み（kunyomi）で読んだとしても、中国を書かれた順にそのまま読んだのでは日本語にはならないのである。そこで、日本では９世紀ごろ、中国語の文章に特殊な記号を付し、日本語の語順に直して読む方法が編み出された。これが漢文訓読（kundoku）と呼ばれるものである。

7．終わりに

このように、日本は千年以上前から、中国から伝わった漢字を日本的な方法で受容し、日本的な漢字文化を形成してきた。漢字は日本の社会に深く根付いたのである。現在でも日本の小学生たちにとって漢字の習得は一番重要な勉強である。

現在、中国では簡体字が使われているし、日本でもやはり日本的に簡略化された漢字が使われている。日本人にとって、中国の簡体字は、見慣れないと戸惑ってしまう。おそらく中国人が日本の簡略化された漢字を見ても同じような感覚を持つことだろう。このまま両国の漢字の違いが大きくなって、情報手段としての価値が低くなるようなことがあったとしたら、大変残念なことだと思う。一旦簡略化されて広まったものを元に戻すことはできないだろうし、日常生活の利便を考えれば、それでいいと思う。けれども、漢字がもつ東アジアに共通の情報伝達手段として機能に注目するならば、繁体字についての知識もきちんと身に付けておくことが大事だと思う。日本の学生に対してもいいたいことだが、古典も読んで、繁体字や古典的な知識も身につけておくことも、両国民の情報伝達のささえとなると思う。

参考文献

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