千与千寻日文剧本

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千与千寻日文剧本

《千与千寻》日文剧本

父千尋。千尋、もうすぐだよ。母やっぱり田舎ねー。買い物は隣町に行くしかなさそうね。父住んで都にするしかないさ。ほら、あれが小学校だよ。千尋、新しい学校だよ。母結構きれいな学校じゃない。しぶしぶ起きあがってあかんべをする千尋。千尋前の方がいいもん。…あっ、あああ!おかあさん、お花しおれてっちゃった!母あなた、ずーっと握りしめてるんだもの。おうちについたら水切りすれば大丈夫よ。千尋初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい…母あら。この前のお誕生日にバラの花をもらったじゃない?千尋一本ね、一本じゃ花束って言えないわ。母カードが落ちたわ。窓開けるわよ。もうしゃんとしてちょうだい!今日は忙しいんだから。タイトル父あれ?道を間違えたかな?おかしいな…母あそこじゃない?ほら。父ん?母あの隅の青い家でしょ?父あれだ。一本下の道を来ちゃったんだな。…このまま行っていけるのかな。母やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。父ちょっとだけ、ねっ。千尋あのうちみたいの何?母石のほこら。神様のおうちよ父おとうさん、大丈夫?父まかせとけ、この車は四駆だぞ!千尋うぁっ―母千尋、座ってなさい。千尋あっ、うわっ…わっ、わっ!ぅああああああっ!母あなた、いいかげんにして!父行き止まりだ!母なあに?この建物。父門みたいだね。母あなた、もどりましょう、あなた。千尋?…もぅ。父何だ、モルタル製か。結構新しい建物だよ。千尋…風を吸込んでる…母なぁに?父ちょっと行ってみない?むこうへ抜けられるんだ。千尋ここいやだ。戻ろうおとうさん!父なーんだ。恐がりだな千尋は。ねっ、ちょっとだけ。母引越センターのトラックが来ちゃうわよ。父平気だよ、カギは渡してあるし、全部やってくれるんだろ?母そりゃそうだけど…千尋いやだ、わたし行かないよ!戻ろうよ、おとうさん!父おいで、平気だよ。千尋わたし行かない!うぅ…あぁっ!母千尋は車の中で待ってなさい。千尋ぅぅ…おかあさーん!まってぇーっ!父足下気をつけな。母千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。千尋ここどこ?母あっ。ほら聞こえる。千尋…電車の音!母案外駅が近いのかもしれないね。父いこう、すぐわかるさ。千尋こんなとこに家がある…父やっぱり間違いないな。テーマパークの残骸だよ、これ。90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。これもその一つだよ、きっと。千尋えぇーっ、まだいくの!?おとうさん、もう帰ろうよぅ!ねぇーーーっ!千尋おかあさん、あの建物うなってるよ。母風鳴りでしょ。気持ちいいとこねー、車の中のサンドイッチ持ってくれば良かった。父川を作ろうとしたんだねー。ん?なんか匂わない?母え?父ほら、うまそうな匂いがする。母あら、ほんとね。父案外まだやってるのかもしれないよ、ここ。母千尋、はやくしなさい。千尋まーってー!父ふん、ふん…こっちだ。母あきれた。これ全部食べ物屋よ。千尋誰もいないねー。父ん?あそこだ!おーい、おーい。はぁー。うん、わぁ。こっちこっち。母わぁー、すごいわねー。父すみませーん、どなたかいませんかー?母千尋もおいで、おいしそうよ。父すいませーん!母いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。父そうだな。そっちにいいやつが…母これなんていう鳥かしら。…おいしい!千尋、すっごくおいしいよ!千尋いらない!ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。父大丈夫、お父さんがついてるんだから。カードも財布も持ってるし。母千尋も食べな。骨まで柔らかいよ。父辛子。母ありがと。千尋おかぁさん、おとぅさん!諦めて歩き出す千尋。油屋の建物を見つける。千尋へんなの。千尋電車だ!…?ハク様…!ここへ来てははいけない!すぐ戻れ!千尋えっ?ハク様じきに夜になる!その前に早く戻れ!…もう明かりが入った、急いで!私が時間を稼ぐ、川の向こうへ走れ!千尋なによあいつ…明かりが入ると同時に、たくさんの影が動き出す。千尋……!

おとうさーん!おとうさん帰ろ、帰ろう、おとうさーん!座っていた豚が振り向く。千尋ひぃぃ…っ豚がたたかれて倒れる。豚ブギィィィ!千尋ぅわぁあーっ!おとおさーん、おかあさーん!おかあさーん、ひっ!ぎゃああーーっ!千尋ひゃっ!…水だ!うそ…夢だ、夢だ!さめろさめろ、さめろ!さめてぇ…っ…これはゆめだ、ゆめだ。みんな消えろ、消えろ。きえろ。あっ…ぁあっ、透けてる!ぁ…夢だ、絶対夢だ!船が接岸し、春日さまが出てくる。千尋ひっ…ひっ、ぎゃあああーーっ!千尋を捜すハク。暗闇にいる千尋を見つけて肩を抱く。千尋っっっ!ハク様怖がるな。私はそなたの味方だ。千尋いやっ、やっ!やっっ!ハク様口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう。千尋いやっ!…っ!?ハク様大丈夫、食べても豚にはならない。噛んで飲みなさい。千尋…ん…んぅ…んー…っハク様もう大丈夫。触ってごらん。千尋さわれる…ハク様ね?さ、おいで。千尋おとうさんとおかあさんは?どこ?豚なんかになってないよね!?ハク様今は無理だけど必ず会えるよ。…!静かに!ハクが千尋を壁に押しつけると、上空を湯バードが飛んでいく。ハク様そなたを捜しているのだ。時間がない、走ろう!千尋ぁっ…立てない、どうしよう!力が入んない…ハク様落ち着いて、深く息を吸ってごらん…そなたの内なる風と水の名において…解き放て…立って!千尋あっ、うわっ!走り出す二人。ハク様…橋を渡る間、息をしてはいけないよ。ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう。千尋こわい…ハク様心を鎮めて。従業員いらっしゃいませ、お早いお着きで。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。ハク様所用からの戻りだ。従業員へい、お戻りくださいませ。ハク様深く吸って…止めて。カオナシが千尋を見送る。湯女いらっしゃい、お待ちしてましたよ。ハク様しっかり、もう少し。青蛙ハク様ぁー。何処へ行っておったー?千尋…!ぶはぁっ青蛙ひっ、人か?ハク様…!走れ!青蛙…ん?え、え?青蛙に術をかけて逃げるハク。従業員ハク様、ハク様!ええい匂わぬか、人が入り込んだぞ!臭いぞ、臭いぞ!ハク様勘づかれたな…千尋ごめん、私息しちゃった…ハク様いや、千尋はよく頑張った。これからどうするか離すからよくお聞き。ここにいては必ず見つかる。私が行って誤魔化すから、そのすきに千尋はここを抜け出して…千尋いや!行かないで、ここにいて、お願い!ハク様この世界で生き延びるためにはそうするしかないんだ。ご両親を助けるためにも。千尋やっぱり豚になったの夢じゃないんだ…ハク様じっとして…騒ぎが収まったら、裏のくぐり戸から出られる。外の階段を一番下まで下りるんだ。そこにボイラー室の入口がある。火を焚くところだ。中に釜爺という人がいるから、釜爺に会うんだ。千尋釜爺?ハク様その人にここで働きたいと頼むんだ。断られても、粘るんだよ。ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆に動物にされてしまう。千尋湯婆婆…って?ハク様会えばすぐに分かる。ここを支配している魔女だ。嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。辛くても、耐えて機会を待つんだよ。そうすれば、湯婆婆には手は出せない。千尋うん…従業員ハク様ぁー、ハク様ー、どちらにおいでですかー?ハク様いかなきゃ。忘れないで、私は千尋の味方だからね。千尋どうして私の名を知ってるの?ハク様そなたの小さいときから知っている。私の名は――ハクだ。ハク様ハクはここにいるぞ。従業員ハク様、湯婆婆さまが…ハク様分かっている。そのことで外へ出ていた。階段へ向う千尋。恐る恐る踏み出し、一段滑り落ちる。千尋ぃやっ!はっ、はぁっ…もう一段踏み出すと階段が壊れ、はずみで走り出す。千尋わ…っいやああああーーーーっ!やあぁああああああー!なんとか下まで降り、そろそろとボイラー室へむかう。ボイラー室で釜爺をみて後ずさりし、熱い釜に触ってしまう。千尋あつっ…!カンカンカンカン(ハンマーの音)千尋あの…。すみません。あ、あのー…あの、

釜爺さんですか?釜爺ん?…ん、んんーー?千尋…あの、ハクという人に言われてきました。ここで働かせてください!リンリン(呼び鈴の音)釜爺ええい、こんなに一度に…チビども、仕事だー!カンカンカンカンカンカン釜爺わしゃあ、釜爺だ。風呂釜にこき使われとるじじいだ。チビども、はやくせんか!千尋あの、ここで働かせてください!釜爺ええい、手は足りとる。そこら中ススだらけだからな。いくらでも代わりはおるわい。千尋あっ、ごめんなさい。あっ、ちょっと待って。釜爺じゃまじゃま!千尋…あっ。重さで潰れたススワタリの石炭を持ち上げる千尋。ススワタリは逃げ帰ってゆく。千尋あっ、どうするのこれ?ここにおいといていいの?釜爺手ぇ出すならしまいまでやれ!千尋えっ?…石炭を釜に運ぶと、ススワタリみんなが潰れた真似をしだす。カンカンカンカン釜爺こらあー、チビどもー!ただのススにもどりてぇのか!?あんたも気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならね。働かなきゃな、こいつらの魔法は消えちまうんだ。ここにあんたの仕事はねぇ、他を当たってくれ。…なんだおまえたち、文句があるのか?仕事しろ仕事!リンメシだよー。なぁんだまたケンカしてんのー?よしなさいよもうー。うつわは?ちゃんと出しといてって言ってるのに。釜爺おお…メシだー、休憩ー!リンうわ!?人間がいちゃ!…やばいよ、さっき上で大騒ぎしてたんだよ!?釜爺わしの…孫だ。リンまごォ?!釜爺働きたいと言うんだが、ここは手が足りとる。おめぇ、湯婆婆ンとこへ連れてってくれねえか?後は自分でやるだろ。リンやなこった!あたいが殺されちまうよ!釜爺これでどうだ?イモリの黒焼き。上物だぞ。どのみち働くには湯婆婆と契約せにゃならん。自分で行って、運を試しな。リン…チェッ!そこの子、ついて来な!千尋あっ。リン…あんたネェ、はいとかお世話になりますとか言えないの!?千尋あっ、はいっ。リンどんくさいね。はやくおいで。靴なんか持ってどうすんのさ、靴下も!千尋はいっ。リンあんた。釜爺にお礼言ったの?世話になったんだろ?千尋あっ、うっ!…ありがとうございました。釜爺グッドラック!リン湯婆婆は建物のてっぺんのその奥にいるんだ。早くしろよォ。千尋あっ。リン鼻がなくなるよ。千尋っ…リンもう一回乗り継ぐからね。千尋はい。リンいくよ。…い、いらっしゃいませ。お客さま、このエレベーターは上へは参りません。他をお探し下さい。千尋ついてくるよ。リンきょろきょろすんじゃないよ。蛙男到着でございます。右手のお座敷でございます。?…リン。リンはーい。(ドン!)千尋ぅわっ!蛙男なんか匂わぬか?人間だ、おまえ人間くさいぞ。リンそーですかぁー?蛙男匂う匂う、うまそうな匂いだ。おまえなんか隠しておるな?正直に申せ!リンこの匂いでしょ。蛙男黒焼き!…くれぇーっ!リンやなこった。お姉さま方に頼まれてんだよ。蛙男頼む、ちょっとだけ、せめて足一本!リン上へ行くお客さまー。レバーをお引き下さーい。『二天』につくが、『天』まで千尋を連れて行くおしらさま。奥のドアを開けようとする千尋。湯婆婆…ノックもしないのかい!?千尋やっ!?湯婆婆ま、みっともない娘が来たもんだね。さぁ、おいで。…おいでーな~。千尋わっ!わ…っ!いったぁ~…頭が寄ってくる。千尋ひっ、うわぁ、わあっ…わっ!湯婆婆うるさいね、静かにしておくれ。千尋あのー…ここで働かせてください!魔法で口チャックされる千尋。湯婆婆馬鹿なおしゃべりはやめとくれ。そんなひょろひょろに何が出来るのさ。ここはね、人間の来るところじゃないんだ。八百万の神様達が疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ。それなのにおまえの親はなんだい?お客さまの食べ物を豚のように食い散らして。当然の報いさ。おまえも元の世界には戻れないよ。…子豚にしてやろう。ぇえ?石炭、という手もあるね。へへへへへっ、震えているね。…でもまあ、良くここまでやってきたよ。誰かが親切に世話を焼いたんだね。誉めてやらなきゃ。誰だい、それは?教えておくれな…千尋…あっ。ここで働かせてください!湯婆婆まァ

だそれを言うのかい!千尋ここで働きたいんです!湯婆婆だァーーーまァーーーれェーーー!湯婆婆なんであたしがおまえを雇わなきゃならないんだい!?見るからにグズで!甘ったれで!泣き虫で!頭の悪い小娘に、仕事なんかあるもんかね!お断りだね。これ以上穀潰しを増やしてどうしようっていうんだい!それとも…一番つらーーいきつーーい仕事を死ぬまでやらせてやろうかぁ…?湯婆婆…ハッ!?坊あーーーーん、あーーん、ああああーーー湯婆婆やめなさいどうしたの坊や、今すぐ行くからいい子でいなさいね…まだいたのかい、さっさと出て行きな!千尋ここで働きたいんです!湯婆婆大きな声を出すんじゃない…うっ!あー、ちょっと待ちなさい、ね、ねぇ~。いい子だから、ほぉらほら~。千尋働かせてください!湯婆婆わかったから静かにしておくれ!おおぉお~よ~しよし~…紙とペンが千尋の方へ飛んでくる。湯婆婆契約書だよ。そこに名前を書きな。働かせてやる。その代わり嫌だとか、帰りたいとか言ったらすぐ子豚にしてやるからね。千尋あの、名前ってここですか?湯婆婆そうだよもぅぐずぐずしないでさっさと書きな!まったく…つまらない誓いをたてちまったもんだよ。働きたい者には仕事をやるだなんて…書いたかい?千尋はい…あっ。湯婆婆フン。千尋というのかい?千尋はい。湯婆婆贅沢な名だねぇ。今からおまえの名前は千だ。いいかい、千だよ。分かったら返事をするんだ、千!千は、はいっ!ハク様お呼びですか。湯婆婆今日からその子が働くよ。世話をしな。ハク様はい。…名はなんという?千え?ち、…ぁ、千です。ハク様では千、来なさい。千ハク。あの…ハク様無駄口をきくな。私のことは、ハク様と呼べ。千…っ父役いくら湯婆婆さまのおっしゃりでも、それは…兄役人間は困ります。ハク様既に契約されたのだ。父役なんと…千よろしくお願いします。湯女あたしらのとこには寄こさないどくれ。湯女人臭くてかなわんわい。ハク様ここの物を三日も食べれば匂いは消えよう。それで使い物にならなければ、焼こうが煮ようが好きにするがいい。仕事に戻れ!リンは何処だ。リンえぇーっ、あたいに押しつけんのかよぅ。ハク様手下をほしがっていたな。父役そうそう、リンが適役だぞ。リンえーっ。ハク様千、行け。千はいっ。リンやってらんねぇよ!埋め合わせはしてもらうからね!兄役はよいけ。リンフン!…来いよ。リン…おまえ、うまくやったなぁ!千えっ?リンおまえトロイからさ、心配してたんだ。油断するなよ、わかんないことはおれに聞け。な?千うん。リン…ん?どうした?千足がふらふらするの。リンここがおれたちの部屋だよ。食って寝りゃ元気になるさ。前掛け。自分で洗うんだよ。…袴。チビだからなぁ…。でかいな。千リンさん、あの…リンなに?千ここにハクっていうひと二人いるの?リン二人ぃ?あんなの二人もいたらたまんないよ。…だめか。あいつは湯婆婆の手先だから気をつけな。千…んっ…ん…リン…おかしいな…あああ、あったあった。ん?おい、どうしたんだよ?しっかりしろよぅ。女うるさいなー。なんだよリン?リン気持ち悪いんだって。新入りだよ。湯婆婆が鳥になって飛んでいく。見送るハク。寝ている千のもとへ、ハクが忍んでくる。ハク様橋の所へおいで。お父さんとお母さんに会わせてあげる。部屋を抜け出す千。千靴がない。…あ。ありがとう。ススワタリに手を振る千。橋の上でカオナシに会う。ハク様おいで。花の間を通り畜舎へ。千…おとうさんおかあさん、私よ!…せ、千よ!おかあさん、おとうさん!病気かな、ケガしてる?ハク様いや。おなかが一杯で寝ているんだよ。人間だったことは今は忘れている。千うっ…くっ…おとうさんおかあさん、きっと助けてあげるから、あんまり太っちゃだめだよ、食べられちゃうからね!垣根の下でうずくまる千。ハクが服を渡す。ハク様これは隠しておきな。千あっ!…捨てられたかと思ってた。ハク様帰るときにいるだろう?千これ、お別れにもらったカード。ちひろ?…千尋って…私の名だわ!ハク様湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。い

つもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。千私、もう取られかけてた。千になりかけてたもん。ハク様名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。私はどうしても思い出せないんだ。千ハクの本当の名前?ハク様でも不思議だね。千尋のことは覚えていた。お食べ、ご飯を食べてなかったろ?千食べたくない…ハク様千尋の元気が出るように呪い(まじない)をかけて作ったんだ。お食べ。千…ん…ん、んっ……うわぁああーー、わぁああーーー、あぁああーーん…ハク様つらかったろう。さ、お食べ。千ひっく…うぁあーーん…ハク様一人で戻れるね?千うん。ハクありがとう、私がんばるね。ハク様うん。帰り際、空に昇る白い竜を見つける。千わぁっ。釜爺が水を飲みに起き、寝ている千を見つける。座布団を掛けてやる。湯婆婆が戻ってくる。リンどこ行ってたんだよ。心配してたんだぞ。千ごめんなさい。名札を掛けるのに手間取る千。湯女じゃまだねぇ。リン千、もっと力はいんないの?兄役リンと千、今日から大湯番だ。リンえぇーっ、あれは蛙の仕事だろ!兄役上役の命令だ。骨身を惜しむなよ。水を捨てに来る千。外に立っているカオナシを見つける。千あの、そこ濡れませんか?リン千、早くしろよ!千はーーい。…ここ、開けときますね。湯女リン、大湯だって?リンほっとけ!リンひでぇ、ずーっと洗ってないぞ。転ぶ千。千うわっ!…あーっ。リンここの風呂はさ、汚しのお客専門なんだよ。うー、こびりついてて取れやしねえ。兄役リン、千。一番客が来ちまうぞ。リンはーーい今すぐ!チッ、下いびりしやがって。一回薬湯入れなきゃダメだ。千、番台行って札もらってきな。千札?…うわっ!リン薬湯の札だよ!千はぁーい。…リンさん、番台ってなに?湯婆婆ん?…なんだろうね。なんか来たね。雨に紛れてろくでもないものが紛れ込んだかな?街を進んでくるオクサレさま。番台蛙そんなもったいないことが出来るか!…おはようございます!良くお休みになられましたか!湯女春日様。番台蛙はい、硫黄の上!…いつまでいたって同じだ、戻れ戻れ!手でこすればいいんだ!おはようございます!…手を使え手を!千でも、あの、薬湯じゃないとダメだそうです。番台蛙わからんやつだな…あっ、ヨモギ湯ですね。どーぞごゆっくり…千あっ…背後にカオナシを見つけて会釈する千。番台蛙んん?リリリリリ番台蛙はい番台です!…あっ、…うわっ!?千あっ!ありがとうございます!番台蛙あー、違う!こら待て、おい!湯婆婆どしたんだい!?番台蛙い、いえ、なんでもありません。湯婆婆なにか入り込んでるよ。番台蛙人間ですか。湯婆婆それを調べるんだ。今日はハクがいないからね。リンへぇーずいぶんいいのくれたじゃん。これがさ、釜爺のとこへ行くんだ。混んでないからすぐ来るよきっと。これを引けばお湯が出る。やってみな。千うわっ!…リン千てほんとドジなー。千うわ、すごい色…リンこいつにはさ、ミミズの干物が入ってんだ。こんだけ濁ってりゃこすらなくても同じだな。いっぱいになったらもう一回引きな、止まるから。もう放して大丈夫だよ。おれ朝飯取ってくんな!千はぁーい。…あっ。カオナシを見つける。風呂の縁から落ちる千。千うわっ!…いったぃ…った…あの、お風呂まだなんです。わ…こんなにたくさん…えっ、私にくれるの?カオナシあ、あ、…千あの…それ、そんなにいらない。カオナシあ、…千だめよ。ひとつでいいの。カオナシあ…千え…あっ!釜から水があふれる。千うわぁっ!父役奥様。湯婆婆クサレ神だって!?父役それも特大のオクサレさまです!従業員まっすぐ橋へ向かってきます!従業員達お帰り下さい、お帰り下さい!青蛙お帰り下さい、お引き取り下さい、お帰り下さい!うっ…くっさいぃ~…!湯婆婆ぅう~ん…おかしいね。クサレ神なんかの気配じゃなかったんだが…来ちまったものは仕方がない。お迎えしな!こうなったら出来るだけはやく引き取ってもらうしかないよ!兄役リンと千、湯婆婆様がお呼びだ。千あ、はいっ!湯婆婆いいかい、おま

えの初仕事だ。これから来るお客を大湯で世話するんだよ。千…あの~…湯婆婆四の五の言うと、石炭にしちまうよ。わかったね!父役み、見えました…ウッ…湯婆婆?千ウゥッ…!湯婆婆…おやめ!お客さんに失礼だよ!が?が?…ヨクオコシクダしゃいマシタ…え?あオカネ…千!千!早くお受け取りな!千は、はいっ!(ベチャッ)千うゥ…!湯婆婆ナニしてるんだい…!ハヤクご案内しな!千どどうぞ…リンセーーーン!うぇっ…くっせえ…あっ、メシが!湯婆婆窓をお開け!全部だよ!大湯に飛び込み、千に何かを促すオクサレさま。千えっ?ぁ、…ちょっと待って!上から見ている湯婆婆と父役。湯婆婆フフフフ、汚いね。父役笑い事ではありません。湯婆婆あの子どうするかね。…ほぉ、足し湯をする気だよ。父役あぁああ、汚い手で壁に触りおって!千あっ…あっ!札を下げようとして落とす千。他の札を取って釜爺に送る。湯婆婆んん?千に新しい札あげたのかい?父役まさかそんなもったいない…千わっ!湯の紐を引きながら落ちる千。ヘドロにはまる。父役あああーっ、あんな高価な薬湯を!オクサレさまに引っ張り出される千。何かに手を触れる。千…?あっ?リンセーーーン!千どこだ!千リンさん!リンだいじょぶかあ!釜爺にありったけのお湯出すように頼んできた!最高の薬湯おごってくれるって!千ありがとう!あの、ここにトゲみたいのが刺さってるの!リントゲーー?千深くて取れないの!湯婆婆トゲ?トゲだって?…ううーん…下に人数を集めな!父役えぇっ?湯婆婆急ぎな!千とリン、そのお方はオクサレ神ではないぞ!このロープをお使い!千はいっ!リンしっかり持ってな!千はいっ!湯婆婆ぐずぐずするんじゃないよ!女も力を合わせるんだ!千結びました!湯婆婆んーーー湯屋一同、心をこめて!エイヤーーーーソーーーーレーーーー一同そーーーれ、そーーーーれ!そーーーれ、そーーーーれ!千自転車?湯婆婆やはり!さぁ、きばるんだよ!オクサレさまからたくさんのゴミが出てくる。河の主はァーーー…千うっわっ…わあっ!水の流れに包まれる千。リンセーーーン!だいじょぶかあ!?河の主…佳き哉…千あっ…千の手に残る団子。湯婆婆んん…?従業員砂金だ!砂金だ!わあーっ!湯婆婆静かにおし!お客さまがまだおいでなんだよ!千!お客さまの邪魔だ、そこを下りな!大戸を開けな!お帰りだ!河の主あははははははははは…神様達やんやーーやんやーー!湯婆婆セーン!よくやったね、大もうけだよ!ありゃあ名のある河の主だよ~。みんなも千を見習いな!今日は一本付けるからね。みんなおぉーー!湯婆婆さ、とった砂金を全部だしな!みんなえぇーーっ!そりゃねえやな…

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